「ねごと」で優先度マイナスの技を繰り出せた場合は「ドラゴンテール」に限らず「ほえる」や「ふきとばし」などの強制交代技も優先度を無視して先手で使用できることに加えて強制交換させるという効果もそのまま付与される。素早さが高いポケモンに採用することで、その素早さ以下のポケモンに対しては何も行動させずに強制交換させることができる。
ドラゴンタイプの「ドラゴンテール」だけでなく、格闘タイプの「ともえなげ」も同じ効果であるので、この戦術を最速で使用できるポケモンとして7世代ではメガミミロップ(135族)が大本命だったが、8世代へ移り新しくドラパルト(142)が登場したことでこの戦術における素早さラインが更に上昇した。
🔷構築経緯🔷
『交代際スリップ+強制交換+@1エース』
専用キョダイマックス技である「キョダイコウジン」に加えて「ステルスロック」まで習得できるHBベースのダイオウドウを交代際スリップ要因として採用、強制交換要員として 最速HSベースドラパルトを採用。@1のエースには相手のダイマックスに対し身代わり連打で抑え切り、切り返し・単体としても強いチイラミミッキュ、リベロ+広範囲の強さに加え、ドラパルトが止まるフェアリーに打点を持たせた命の珠エースバーン。
『TOD判定まで逃げ切る』
ダイオウドウにダイマックスを1ターン目から切ることを前提とし、「キョダイコウジン」を打つ合間に「ダイウォール」を駆使してダイオウドウの体力を残す。ダイマックスに関しては後続のクッション枠を駆使して枯らし、ダイマックスが切れた後はねむねごドラゴンテール(かげぶんしん+ひかりのこなで避ける)を駆使して凌ぐ。シーズン2以降は総合時間20分、持ち時間7分なので、サイクル+放置による意図的なTODが難しくなったが、素早さ142を活かしたねむねご先手ドラゴンテール、かげぶんしん+ひかりのこなによる攻撃的なTODは現ルールでは難しくない。ドラパルト自身は「ドラゴンテール」が刺さらないフェアリーさえ取り巻きで処理してしまえば、一撃で倒しきることが難しい耐久力を持ち、高速回復技のねむるを採用することで高打点を持たないポケモンを単体でハメ切るスペックを持つ。意識する点としては「ダイオウドウの体力管理ができるかどうか」「ドラパルト単体で逃げ切れるターゲットは誰か→では誰を削り落とすか」の二点。
🔶個別紹介🔶
225(220)-154(28)-133(252)-x-90(4)-51(4)
・持ち物無しエースバーンの一致とびひざげり耐え(目安)
・ヘビーボンバーで175-115トゲキッスまで確定1発
・30族(ヤドラン、カビゴン)意識で4振り
基本的に初手に投げるキョダイマックス枠。 対面したポケモンにダイマックス下で2回行動できるかできないかを見極めて「ダイウォール」→「キョダイコウジン」→「ダイウォール」の動きでステルスロックまで撒くか、体力管理してTOD逃げを目指すかを判断。レッドカードはドラゴンテールが通らないフェアリータイプを事故らせる目論見があり、対面のエースバーンがダイオウドウに対し「かえんボール」→レッドカード発動でトゲキッスが出てくる→「キョダイコウジン」で吹き飛ばす→ドラパルトで逃げ切る…という動きも実際に数回できた。1/2の確率でドラパルトを通せる勝ち筋を相手に考慮されずに作り出せるのは強力。残りの技は行動余裕がある盤面で強制スリップを稼げて、起点回避としても使用できる「ふきとばし」、相手のダイマックスターンを稼げたり、TOD逃げとしても効果的な「こらえる」で完成。
192(228)-142(12)-96(4)-x-97(12)-213(252)
・同族意識で最速
・ダウンロード調整
・残りHA振り分け
この戦術の主軸。元々は強制交換技自体ダイマックスを誘うのでダイマックス枯らしとして「かげぶんしん」→「みがわり」で採用していたが、この戦術の仕様?なのかみがわりを入れている場合はドラゴンテールが不発に終わる。試験的に英語ROMで練習してたときに何故か読めないテキストが毎ターン出てくるので「ずっと避けられている」と勘違いしており、気付けば10試合やってた。とはいえ「かげぶんしん」という技自体もダイマックスを誘発できる強力な技であり、「かげぶんしん」→ダイマックスにナマコブシ、カビゴン、ミミッキュを投げる→→ダイマックスを枯らす→ドラパルトを通す動きが強く、ダイマックスで「かげぶんしん+ひかりのこな」の回避対策をしてくるプレイヤーにも対応することができた。特性は相手の「みがわり」貫通として「すりぬけ」で採用していたが相手からの打点が消えている間に「かげぶんしん」を打てる「のろわれボディ」でも良かったかも。
132(12)-154(236)-101(4)-x-126(4)-148(252)
・みがわり3回でチイラ発動
・陽気以外のミミッキュ意識で準速
エース①、この構築では「のろい」を採用するよりエース運用することが多いので「つるぎのまい」で回していたが、のろいを絡めて相手のポケモンを流せた方が便利な盤面が多かったので検討枠。
162(252)-x-200(252)-x-151(4)-25
・A168命の珠エースバーンのダイナックル(95)→ダイジェット(130)耐え(目安)
クッション枠①、主にエースバーンへの受け出し要因だが命の珠ダイジェット2回には受け出し不可、まもるを挟んでも葬り去られるのでエースバーンのダイマックス枯らしが狙い。物理相手へのスペックは従来通り高いのでダイマックス下で余裕がある場合は「カウンター」を通すなどして数的有利を狙う。「バトンタッチ」はあくびループ抜け出し、対面操作技としても機能したので使用感は〇。
267(252)-132(12)-86(4)-86(4)-176(236)-45
・C189悪巧みダイジェットを木の実回復挟んで2耐え
・交代際スリップ+ヘビーボンバーで161-115トゲキッス、131-100ミミッキュが落ちる
クッション枠②、ドラパルト自体がトゲキッスに弱く、構築上重たいのでダイマックスを切らずとも対応が効くカビゴンを採用。技構成に関してはトゲキッスと同居しやすいサポートポケモンに腐りにくい構成にしてみたがナマコブシ同様まもるを採用することでTODに寄せた方が良いかも、選出率は控えめ。
155-168(252)-95-x-96(4)-188(252)
・DL調整
・同速意識で最速
エース②、「とびひざげり」の攻撃範囲自体が優秀なので「かえんボール」切り。縛れる範囲を広げる「ふいうち」、ドラパルトが苦手とするフェアリー相手への打点として「アイアンヘッド」「ダストシュート」の採用。「ステルスロック」+「広範囲エース」は非常に強力で「キョダイコウジン+ステルスロック」→エースバーンだけで終わった対戦もあるが、技構成はアレンジできる余裕ある(ダストシュートほぼ打たない)ので技構成は検討余地あり。タスキが余っているので「カウンター」を採用した対面重視の構成でも面白いかもしれない。
🔶あとがき🔶
動かし方が難しい。キョダイマックスダイオウドウ+TODドラパルトの2匹はまとまっているが取り巻き4匹が機能しているのか対戦から手応えが掴めず、改善していくなら対戦数を増やし、課題を明確にし、対策を構築にフィードバックしていくしかない。ハマった時は強力だが再戦には機能しなくなるので、残り4匹だけで裏選出が組む必要もあるので構築の完成度としてはまだまだですね。。。